県立高校の共学化問題

宮城県では、県立高校の男女共学化を進めていますが、仙台市内の一部の伝統高で根強い反対があります。(男子校も女子高も)

この問題は、昔は伝統ある男子校と言われたものの、同じように戦後の民主化運動の中で共学化され、そこに入学&卒業し、卒業後四半世紀近くたって今度は中高一貫校に変わってしまった、そんな母校を持つ私からすると、反対している方には大変申し訳ないのですが、「小さい」話に見えてしまうのです。

一高(男子校)、一女(女子校)の伝統は良くわかりますが、外から見ていると「一律共学化反対」は言い換えると、「自分たちだけは特別だ」というエリート意識や、自分の母校がなくなってしまうというOBの「ノスタルジー」というエゴにしか見えないのです。

エルソーラやエルパークの縮小問題等を見ていると、確かに仙台市男女共同参画化社会活動は「運動ありき」のような印象を受けるし、その背景には、裏返しとして、男尊女卑的な東北の古い文化(いい面もあるのでこれ以上言いませんが、そういう感覚が残っているのは仙台に住んでいて実感しました)が根強く残っているからだと想像します。

私は、ジェンダーフリーとか、その手の行き過ぎた「男女平等化」には強い違和感を感じますが、だからといって男子校女子校にこだわる時代でもないだろうと思っています。

ちなみに、私の母校は、時を超え、体制が変わろうとも、未だに昔の男子校(旧制中学)時代の精神を引き継ぎ、そりゃあ生徒は軟弱になりましたが、精神は教育方針の中にしっかり引き継がれ、立派に「伝統校」としての評価を得ています。

女子が混ざる方がより男子校の伝統が洗練されていくのではないでしょうか?


長くなりましたが、私は強いてどちらか言われると、以下の理由で共学化に賛成です。

少子化により、女性の社会進出をどんどん進めないと優秀な人材が育てられない状況の中で、優秀な人材育成に性別は関係ないこと
少子化は、確かにクラス数の減少をもたらしており、効率的に能力別の教育を行うにはある程度の集約が必要であること(ただし、学校数の減少は通学難を増やすので、共学化による選択肢の増加は現実的な選択肢だと思う)
・税金を使う以上、性別で学校運営を分ける事の抗弁が難しい事
・最近流行の中高一貫校など、時代や市民の要請に応じた様々なトライアルが可能な基盤が出来ること

と、ここまで書いて、「中高一貫校」なんて東京のような異様な教育環境における特別なものかと思っていたら、何と、宮城二女が共学化を機に中高一貫校化するらしいじゃないか!
宮城一女も共学化を機に進学型単位制高校に変わるらしい。

うーん、東京なら明らかに学校のブランドが逆転するところだが、仙台の教育ニーズは東京とはちょっと違う(というか、東京が異常なのだ)気がするので、どこまで中高一貫校が評価されるかわからないが、きっと注目されるでしょう。(私は中高一貫校を手放しで賛成しているわけではありませんので念のため)


私は仙台が好きですが、オバマ氏ではないですが、今の仙台には「change(変化)」が必要だと思います。
その意味でも、共学化を前向きに捉えてもらいたいと思っています。

本当に伝統があるのであれば、共学になろうとどうなろうと「男らしさ」や「女らしさ」を伝承することは可能なはずですし、新しい時代の「男らしさ」「女らしさ」とはいったい何なのか?、そういうものが男女が普通に日常を共有する生活の中で議論してもらうことはできるはずだと思います。

伝統や精神は失わないけれど、ちょっと来ている服を今や将来を見据えて着替えます!
そんな柔軟さが仙台にあると、仙台は本当に変わると思うのです・・・