老後は都市か地方か?

8/9の「日経プラス1」という朝刊付録誌に老後を過ごしたいのは都市か地方かというアンケート調査が載っていた。
30歳以上のたった1000人の調査だから真に受けるのも禁物だが、非常に興味深い結果が出ていた。
http://www.nikkei.co.jp/p1/

以下に要旨を記す
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1.老後を過ごす場所で重視すること(複数回答)
・生活費の安さ:都市派136人、地方派227人
・ 自然が豊か:都市派67人、地方派284人
・親類や友人が
  近くにいる:都市派128人、地方派134人
公共交通機関
  使いやすい:都市派309人
、地方派77人
買い物に便利:都市派274人、地方派110人

2.老後をどちらで過ごしたいか
・今都市在住者で、老後地方に住みたい人:570人中、125人(21.9%)
・今地方在住者で、老後都市に住みたい人:432人中、83人(19.2%)

3.人気の移住先:都市→地方
1位:長野県(安曇野市松本市伊那市軽井沢町など)
2位:静岡県熱海市伊東市西伊豆町など)
3位:沖縄県那覇市石垣市国頭村など)
4位:北海道(函館市富良野市ニセコ町など)
5位:千葉県(鴨川市館山市大網白里町など)

4.人気の移住先:地方→都市
1位:東京都(世田谷区、渋谷区、港区など)
2位:神奈川県(横浜市川崎市など)
3位:大阪府大阪市堺市など)
4位:北海道、千葉県、兵庫県

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これからわかることは、
(1)都市在住者で老後地方に住んでみたい人が5人に1人はいるということ。
(2)長野や静岡、千葉など、都市近郊の時間で言うと2時間程度で行き来が出来る地域を望む一方、極端に遠い北海道や沖縄を望むという二極化の傾向にあること。
(3)都市在住者は、交通の便や買い物など、日々の暮らしにおける都会で得た最低限の「利便性」を出来れば地方でも享受したがっていること。

などだろうか・・・


さて、これに仙台を当てはめて考察したい。

実は私は、東京23区の約900万人弱の1%でいいから、仙台に転居させられれば、仙台市の人口は10%近い伸びが可能であると思っていた。

その意味で、900万人の1/5の180万人の潜在需要があると考えられることは私の仮説は十分可能な数量だと感じた。

一方で、仙台は都心から新幹線でこそ1時間半強だが、車では4時間はかかる。
ライバルの静岡・長野・群馬・栃木・福島・茨城・千葉と比較するとやはりハンディが大きい事を実感した。

また、「利便性」という意味では、政令指定都市ならではの文化度の高さと利便性は、先のライバル都市にはない魅力を持ちえている。

これらから考えられることは、「定住」か「マルチハビテーション(2箇所以上の住まいを住み分けること)」という視点で見れば、先のライバル都市はその物理的距離によりマルチハビテーションとしては仙台は適わないが、「老後の定住」という部分では、やり方次第で十分に東京から人を引っ張ってこれるということだ。

人口増へのキーワードとして、以下を記しておく。

地下鉄東西線の活用と新しいバス・タクシーのあり方
老後を安心できる医療ネットワーク
東京在住の東北出身者の掘り起こし
昔人気観光名所だった松島の活用
バリアフリーマンション
高齢者がそこそこ働ける雇用創出(「観光」)
安全安心な地産地消