土地利用の大転換の兆し

東京にいるので実際のところはよく分からないが、いろんな人の話によると、どうもアーケード街の土地がかなり動いているらしい。
最近、河北新報でもその手の記事があった。

東京の大手デベロッパーから、流通業者、中堅デベ、外資系ファンド、いろんな名前が噂される。

既に公になっている再開発以外にもスポットでいろんな話があり、乱開発の兆しが見受けられる。

どうなることやら分からないが、恐らく今の市況と仙台市の市場動向からすれば、アウトレットモールやイオンに代表される郊外型店舗とパルコやエスパル、さくらの百貨店といった駅前型大型店舗に二極化されており、アーケード街はよほど計画的に誘導的に進めないと、ただのパチンコ&ゲーセン&100円ショップ&ファストフードのどこにでもありそうな下品な街になりそうな気がするのだ。

恐らく、大店法の改正により、イオンをはじめとする流通業者は、その活路を中心部に求めて来るだろう。
また、オフィスビルの大量供給とそれについていけない地元資本の撤退で、土地利用の転換が起こり、マンションも供給されるだろう。
マンションはウエルカムなのだが、都市型マンション(1,2階は商業施設)への誘導が図れないと、新住民と旧住民との軋轢がひどくなり、アーケード街衰退に拍車がかかるだろう。

要は、きちんと住宅や商店を誘導、再整理すれば、十分魅力的で観光力も供えた仙台の顔にふさわしい街づくりが可能になるチャンスなのだが、個々の地主の好き勝手にやられると、秩序のない、無個性な、東京にいくらでもあるような街に成り下がる恐れがある。

養老孟や隈研吾が言うように、一度土地が細民化(分譲マンションが典型)されると、取り返しのつかない事になる。

もう時間がない。仙台市や商店会は真剣に考えるべきだ!

ベガルタ仙台に女子部創設を!

田崎真珠神戸市中央区)は10日、日本女子サッカーリーグなでしこリーグ)1部に所属する「TASAKIペルーレFC」を今季限りで休部すると発表した。
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/sports/women_soccer/?1223644015
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081010-00000605-san-socc

北京五輪の池田主将や阪口、アテネ五輪の大谷や山本を擁する古豪。

企業チームだけに、経営が不安定なときには運動部はリストラの対象になりやすい。
残念だ・・・

日本協会も引き受け先を必死で探しているようだ。
あれだけオリンピックを盛り上げてくれた女子サッカーだ、継続することで裾野を広げてもっと強くなって欲しい。


さて、話は飛躍するが、ベガルタ仙台は田崎ペルーレを引き受けて、女子部を創設してもらえないだろうか?
まあ、まずは男子のJ1昇格が最優先だが、女子もあると盛り上がると思うけどなー

その場合のチーム名は、「デネブ仙台」なんてどうだろう?

ベガルタはベガ(Vega)・アルタイル(Altair)からとった造語
これにデネブ(Deneb)を入れれば星座の夏の大三角形になる。

「ネ」を取ると。。。マズイか(笑)


本当はベガが織姫星でアルタイルが彦星だから、ベガが女子部でアルタイルが男子部、デネブはユースみたいな名前のつけ方がいいんだろうなあ・・・

まあ、ベガとデネブで「ベガネブ仙台」とか・・・
(普通に行けば、「ベガルタ仙台レディース」なんだろうな・・・つまんないネーミングだけど)

どうでもいいが「ベガルタ」ではなく、「ヴェガルタ」だと思うんだが。。。VegaがBega。。。地方っぽくていいか(笑)

ベガとアルタイルとデネブは太陽と同じ恒星で1等星です!
仙台よ!光り輝け!

アーケード街の危機

仙台のアーケード街で空き店舗が増えてきているという。
http://www.kahoku.co.jp/news/2008/09/20080921t12012.htm


一部は東京資本の不動産会社やファンドに土地を買われてその後の活用が決まっていないとのこと。
また、パルコなど他の新設大型小売店舗のテナントとして移転してしまった店もあるようだ。


昨年から顕著になってきたらしいが、まあ、私が仙台にいた一昨年も既にそういう傾向はあった。
基本的に、想定の範囲内の話。


アーケード街は、この10年近く、ゆっくりとしかし着実に通行量が減ってきている。
夜なんて、20時過ぎればもうシャッターを下ろす店舗が半分近くあり、歩いていても面白くもなんともない。それこそ一部のドラッグストアーと広瀬通交差点あたりのディズニーストア近辺くらいしかにぎあわない。


今までも空き店舗すら目立たなかったが、既に5年ほど前からゲームセンター、東京資本の喫茶店、ドラッグストアなどが増え、東京から視察に来る専門家から見ると、「終わってますね」あるいは「つまらない商店街ですね」と言われる状況だった。


恐らく、この傾向は続くだろう。
そして治安が悪くなっていく。
空き店舗にはパチンコ店やゲームセンター、ディスカウントショップなど多少賃料を安くすればどんどん入居してくれる「安易な」店舗が増えるだろう。
そしてそういう商店街をブランドショップや女性向け最先端ショップは敬遠し、新しい駅前の店舗に移っていく・・・
(一部のブランドショップが藤崎の周辺に集まっているが、これとてどこまで持ちこたえられるか。せいぜい賃料の値下げで踏みとどまってもらうくらいだろう)


一方、ストリートアーティストなどの活躍の場は増えるから、違った若者文化が現れるに違いない。


さて、起死回生策はないのか?

まずは、全体の危機感の共有化が必要だが、各商店街でバラバラだし、地権者も皆古い人たちが寄り集まって「仙台人のプライド」だけでショボショボ
やっているだけなので、世代交代をしないと無理だろう。

理屈の上では個々の商店街の個性を整理し、ディズニーランドのようにゾーニングをしっかり行い、例えば「原宿」「巣鴨」「銀座」「新宿」「仙台」「秋葉原」などの個性的な街をイメージした街づくりとテナントリーシングを行い、回遊性と休憩スポット・駐車場・駐輪場の整備や移動手段の多様化を図ることなどは必要だろう。

コンパクトシティを実現するためにも、外円部の戸建に残された高齢者が、市内の便利な場所へ引っ越せるよう(実際、雪かきや坂道などで、戸建の維持管理に音を上げる高齢者は多い)、下駄履きマンション(低層部が店舗で、高層部がマンションという建物)をアーケード街に作り、昔ながらの八百屋や魚屋、スーパーを入れ、地元民のための商店街を再構築することも面白いだろう。

一方で、観光客向けの「杜の都」を前面に押し出した商店街があっても面白い。この場合、東北大学や青葉通りのケヤキ並みなどと連携し、ループルや団体バスなどとタイアップした観光拠点としての商店街(高速道路のサービスエリアや道の駅のイメージ)というのは面白いと思う。
いろいろアイデアは浮かんでくる。
もちろんお金も必要だろう。


しかし、一番の問題は「オーナーたちのやる気」仙台市のやる気」

こればかりは外野がどうのこうの言ってもどうしようもない。
ある程度衰退して追い込まれないと分からない「ゆで蛙現象」(蛙が、水の入った鍋に入れられて火にかけられる。最初蛙は自分の置かれている状況がよくわからなくて、温度の変化も穏やかなため逃げ出そうともしないが、そのうちにゆであがって死んでしまうという話)の典型。


何とか、一致団結して再生して欲しいものであるが・・・

老後は都市か地方か?

8/9の「日経プラス1」という朝刊付録誌に老後を過ごしたいのは都市か地方かというアンケート調査が載っていた。
30歳以上のたった1000人の調査だから真に受けるのも禁物だが、非常に興味深い結果が出ていた。
http://www.nikkei.co.jp/p1/

以下に要旨を記す
**********************************
1.老後を過ごす場所で重視すること(複数回答)
・生活費の安さ:都市派136人、地方派227人
・ 自然が豊か:都市派67人、地方派284人
・親類や友人が
  近くにいる:都市派128人、地方派134人
公共交通機関
  使いやすい:都市派309人
、地方派77人
買い物に便利:都市派274人、地方派110人

2.老後をどちらで過ごしたいか
・今都市在住者で、老後地方に住みたい人:570人中、125人(21.9%)
・今地方在住者で、老後都市に住みたい人:432人中、83人(19.2%)

3.人気の移住先:都市→地方
1位:長野県(安曇野市松本市伊那市軽井沢町など)
2位:静岡県熱海市伊東市西伊豆町など)
3位:沖縄県那覇市石垣市国頭村など)
4位:北海道(函館市富良野市ニセコ町など)
5位:千葉県(鴨川市館山市大網白里町など)

4.人気の移住先:地方→都市
1位:東京都(世田谷区、渋谷区、港区など)
2位:神奈川県(横浜市川崎市など)
3位:大阪府大阪市堺市など)
4位:北海道、千葉県、兵庫県

**********************************

これからわかることは、
(1)都市在住者で老後地方に住んでみたい人が5人に1人はいるということ。
(2)長野や静岡、千葉など、都市近郊の時間で言うと2時間程度で行き来が出来る地域を望む一方、極端に遠い北海道や沖縄を望むという二極化の傾向にあること。
(3)都市在住者は、交通の便や買い物など、日々の暮らしにおける都会で得た最低限の「利便性」を出来れば地方でも享受したがっていること。

などだろうか・・・


さて、これに仙台を当てはめて考察したい。

実は私は、東京23区の約900万人弱の1%でいいから、仙台に転居させられれば、仙台市の人口は10%近い伸びが可能であると思っていた。

その意味で、900万人の1/5の180万人の潜在需要があると考えられることは私の仮説は十分可能な数量だと感じた。

一方で、仙台は都心から新幹線でこそ1時間半強だが、車では4時間はかかる。
ライバルの静岡・長野・群馬・栃木・福島・茨城・千葉と比較するとやはりハンディが大きい事を実感した。

また、「利便性」という意味では、政令指定都市ならではの文化度の高さと利便性は、先のライバル都市にはない魅力を持ちえている。

これらから考えられることは、「定住」か「マルチハビテーション(2箇所以上の住まいを住み分けること)」という視点で見れば、先のライバル都市はその物理的距離によりマルチハビテーションとしては仙台は適わないが、「老後の定住」という部分では、やり方次第で十分に東京から人を引っ張ってこれるということだ。

人口増へのキーワードとして、以下を記しておく。

地下鉄東西線の活用と新しいバス・タクシーのあり方
老後を安心できる医療ネットワーク
東京在住の東北出身者の掘り起こし
昔人気観光名所だった松島の活用
バリアフリーマンション
高齢者がそこそこ働ける雇用創出(「観光」)
安全安心な地産地消

仙台の地震

ここのところ立て続けに東北地方で地震が多い。

仙台は大規模な宮城沖地震があと30年ほどの間に起こる確率がかなり高いといわれており、公共施設における地震対策が急がれるところだが、はっきり言って「笛吹けど踊らず」といったところ。

災害時の司令塔になる仙台市役所は耐震補強の必要性が叫ばれながらも、その立地についていろんな意見があり、建て替え・移転新築・耐震補強など、ダッチロールを続けている。

先般ようやく市民病院が広瀬川を越えた長町に移転することが決まった。
(川向こうに病院を作ることのリスクってあるので私は反対だったが仕方がない。あとは河原町の286号と4号を結ぶ橋(宮沢根白石線と秋保大通りを結ぶ)を早く作ってもらうしかない。)

さて、今東北地方は産業投資が盛んになってきている。
具体的にはトヨタの動きが一番大きい。

名古屋と九州に国内生産拠点を稼動させたトヨタは第3の国内拠点として東北地方を選んだ。
環境問題や道路交通網の限界などを踏まえて、船と鉄道によるモーダルシフトを中心にしたロジスティックス戦略をベースに、少しづつそのネットワークの片鱗を現してきている。

要は、東北自動車道を背骨にして、仙台港と秋田港をつなぎ、一台生産体制を作り上げるもの。

既に仙台北部郊外(仙台市ではないのですが)や岩手県内陸部にトヨタ東北やその関連会社が進出し始めている。

もちろん、100万都市圏の労働人口を当てにしていることは言うまでもない。

素人的に見て、こんな地震の多発地域によく進出するなあ、という気がしなくもないが、きっと視点はもっと空高いところにあるのだろう。

地震は天災。
予知することの限界はもう十分わかっている。
仙台市ならびにその周辺市町村、そして宮城県は、地震予知よりも
地震に耐えうるまちづくり」と、地震後の「早期復旧システム」にもっと力を注ぎ、企業や従業員を含めた地域全体が安心して生産できるような施策を講じるべきだろう。

具体的にいくつか提案してみる。

(1)道路や港湾、鉄道といった交通インフラの耐震チェックとバックアップ体制の点検

(2)東北電力やガス水道会社など(特にガス水道は公共事業のため、遅れている可能性が高い)の耐震チェックとバックアップ体制、早期復旧体制の点検

(3)住宅の耐震化と小学校等地域拠点施設の防災拠点体制作り

当たり前の話になってしまいました・・・

日本は地震国なのでどこへいってもリスクはあまり変わりありませんが、企業が地震のせいで進出に二の足を踏まないよう、行政は「万が一の際の安心感」の醸成をお願いしたいところだ。

「新松島水族館」のあるべき姿

松島にある松島水族館仙台港背後地に移転を表明した。
http://www.kahoku.co.jp/news/2008/06/20080629t13027.htm

老朽化した宮城随一の水族館の移転問題は以前よりくすぶっていた。
なによりリアス式の松島の海岸沿いにはまとまった平地が取れず、しかも交通アクセスもよろしくないので、建て替えや増築などの選択肢は事実上ありえない状況だった。

そこへ突然、仙台港背後地への移転を表明した。

冷静に考えれば、決して悪い選択肢ではない。アウトレットパークがもうすぐ出来る新しい商業集積地であり、名前の通り、仙台港の背後地にあるから海に近い。
本当であれば、アウトレットパークのある土地をコンペにかけるときに水族館の移転も条件に付し、民間主導の水族館との複合開発による総合的なまちづくりをすればよかったのだが、今更言っても遅い。
(ましてや、この背後地、既存工場が点在していて、折角の港のそばという利点を生かした街づくりが出来ていない、どこにでもあるただの区画整理なのだ)

さて、仮に上手く移転が実現するとしても、今は動物園水族館ブームで、既に沢山の魅力ある施設が全国にある。

どんな水族館がいいのだろう???

本格的宿泊型「海洋共生水族館」なんてどうだろう?

コンセプトは流行の「環境との人間の共生」

内容は、

1.通常の「鑑賞」型水族館、

2.イルカやオットセイのショーによる「エンターテイメント」型
に加えて、

3.漁業(捕獲だけではなく養殖)体験型施設の導入
(1)例えば、松島名産ホヤや牡蠣の養殖場を海底から覗ける施設(2)釣った魚で晩御飯を食べられる宿泊施設
(3)マグロの解体体験など

4.最近流行のナイトツアーなどを本格的に導入し、宿泊型施設とする
(1)夜の水族館で寝泊りする(これは最近流行っている)
(2)漁船乗船ツアー基地(ヒントは「キッザニア」)

5.魚類と日本人のかかわり(特に食をメイン)を学べる施設の導入
(1)スーパーに並ぶ魚だけで構成された水槽!
(2)魚料理だけのレストラン

・・・

ジャストアイデアに近いものばかりで恐縮だが、いいたい事は、
「全国にはない、唯一無二の施設」を作ってほしいということ。

東北は漁業の盛んな地域。
こういう施設を通じて漁業の復権環境保全の共生を全国に発信して欲しい!