仙台の地震

ここのところ立て続けに東北地方で地震が多い。

仙台は大規模な宮城沖地震があと30年ほどの間に起こる確率がかなり高いといわれており、公共施設における地震対策が急がれるところだが、はっきり言って「笛吹けど踊らず」といったところ。

災害時の司令塔になる仙台市役所は耐震補強の必要性が叫ばれながらも、その立地についていろんな意見があり、建て替え・移転新築・耐震補強など、ダッチロールを続けている。

先般ようやく市民病院が広瀬川を越えた長町に移転することが決まった。
(川向こうに病院を作ることのリスクってあるので私は反対だったが仕方がない。あとは河原町の286号と4号を結ぶ橋(宮沢根白石線と秋保大通りを結ぶ)を早く作ってもらうしかない。)

さて、今東北地方は産業投資が盛んになってきている。
具体的にはトヨタの動きが一番大きい。

名古屋と九州に国内生産拠点を稼動させたトヨタは第3の国内拠点として東北地方を選んだ。
環境問題や道路交通網の限界などを踏まえて、船と鉄道によるモーダルシフトを中心にしたロジスティックス戦略をベースに、少しづつそのネットワークの片鱗を現してきている。

要は、東北自動車道を背骨にして、仙台港と秋田港をつなぎ、一台生産体制を作り上げるもの。

既に仙台北部郊外(仙台市ではないのですが)や岩手県内陸部にトヨタ東北やその関連会社が進出し始めている。

もちろん、100万都市圏の労働人口を当てにしていることは言うまでもない。

素人的に見て、こんな地震の多発地域によく進出するなあ、という気がしなくもないが、きっと視点はもっと空高いところにあるのだろう。

地震は天災。
予知することの限界はもう十分わかっている。
仙台市ならびにその周辺市町村、そして宮城県は、地震予知よりも
地震に耐えうるまちづくり」と、地震後の「早期復旧システム」にもっと力を注ぎ、企業や従業員を含めた地域全体が安心して生産できるような施策を講じるべきだろう。

具体的にいくつか提案してみる。

(1)道路や港湾、鉄道といった交通インフラの耐震チェックとバックアップ体制の点検

(2)東北電力やガス水道会社など(特にガス水道は公共事業のため、遅れている可能性が高い)の耐震チェックとバックアップ体制、早期復旧体制の点検

(3)住宅の耐震化と小学校等地域拠点施設の防災拠点体制作り

当たり前の話になってしまいました・・・

日本は地震国なのでどこへいってもリスクはあまり変わりありませんが、企業が地震のせいで進出に二の足を踏まないよう、行政は「万が一の際の安心感」の醸成をお願いしたいところだ。